2019/07/06

「老人と海」スライドトークショー

お昼ご飯の後は、1時からの映画監督ジャン・ユンカーマンさんと写真家本橋成一さんのトークショーを聞くために、漁港のすぐ東にある久部良公民館へ移動。
トークショーの開始まで30分近くあり、公民館の前をフラフラしていると記念写真を撮っている一団に遭遇。あれ、監督!

写真をとっている人(後でカメラマンの本橋さんと分かる)に「どうぞ一緒に入ってください。」と地元の人と間違われてしまうが、「通りがかりの旅行者ですから。」と答えて、代わりにみなさんを撮影する係になることに。
みなさんのスマホで代わる代わる写した後に、本橋さんからこのカメラでもお願いしますと渡されたのは、フィルムのライカだった。ひさびさにフィルムの巻き上げレバーを回したけど、写真家相手に写真を撮るのはめっちゃ緊張した(笑)

その場の成り行きで監督とも「7、8年前だと思うんですが、広島の映画館で「老人と海」観させてもらいました。この後のトークショーを聞かせてもらいに来ましたが、与那国島でお会いできるなんて、本当にびっくりしています。」とお話しさせていただき、そのまま一緒に記念写真を撮ってもらうことに。

トークショーの前に買ったDVDには監督のサインもいただきました。宝物です!

トークショーはスタッフさんが選んだ未公開の写真400枚あまりを観ながら、監督と本橋さんが思い出を語るという台本なしの企画。
出だしは二人ともなかなか乗らないで、写真が淡々と送られていくこともあったが、言葉がなくてもスクリーンに大写しされるプロの写真家の写真は当たり前に綺麗で、見ているだけでも楽しかった。
そうこうしているうちに二人とも気分が乗って来て、写真が終わってからのトークの方が盛り上がっていた(笑)

その時聞いたエピソード:
当時の与那国にはテレビもNHKの1局しかなく、カメラに撮られることに慣れていなく、逆にそれで自然な絵が撮れたこと。
映画を撮り始めて、丸1年かかってもカジキが釣れず、もう撮影を終わろうかと計画としていた頃にやっと釣れたこと。
ハーリーの季節に撮影を始めて、撮影が終わったのはその翌年のハーリーの後だったこと。
おじぃも釣れないのを気にしていて、それがプレッシャーになって余計に釣れなかったんだろうということ。
1年が経った頃、おじぃは御嶽でお祓いをしてもらい、それで気が楽になったのが良かったのだろうということ。
丸1年待ったカジキが船に上がるのにはたった20分程しかかからなかったこと。2本目のフィルムカートリッジに替える前に釣り上がってしまい、うまく撮れていなかったらどうしようかとドキドキしたこと。
カジキが釣れた日には、他の漁師たちも大喜びで、本当なら漁に出ているはずの漁師たちが港に勢揃いしていたこと。
などなど。楽しい話をたくさん聞かせてもらった。